子供の頃、小学校の教室には大きなストーブが置いてあって授業が始まるギリギリまで同級生と一緒にあたっていた思い出があります。
少し田舎の学校だったので当然 木造校舎でストーブの煙りが校舎の外に出て行くように煙突が取り付けてありました。
今はこんなストーブなんかどこにも見かけませんよね。
こういう子供の頃からの影響でしょうか?今は安全性や機能の面でもエアコンやファンヒーターが暖房器具の主流になって来ているのに、わたしはストーブに愛着があるんです。
そこでストーブが他の暖房器具に勝る長所をご紹介したいと思います。また、もしご自身の部屋に設置するとき、どんなタイプのストーブが最適か?その辺の情報も一緒に紹介しますね!
ストーブをおすすめする3つの魅力とは⁈
①「風が出ない」ので音が静かで乾燥やホコリが気にならない!
石油ストーブはファンヒーターに比べると稼動時の音がとても静かです。
ファンヒーターは熱をファンで送風する仕組みのため、どうしてもファンの回転音が気になります。
また温風が出るタイプの暖房器具は、どうしてもその風によって、部屋の埃が宙に舞ってしまいます。
どんなに小まめに掃除をしても生活をしていると埃は出てしまうものです。
特に喘息やアレルギーを持っている方には埃が舞う心配の無い石油ストーブをおすすめします。
②「水を入れたヤカンを置く」だけで加湿器要らず!
昔は石油ストーブの上にヤカンが乗っかっているのが一般的な冬の風景でした。なぜなら、乾燥する季節に加湿はとても重要だからです。
加湿器を使えばいいのですが、冬場は灯油代に電気代、ガス代となにかとお金がかかる季節なので少しでも電気代を節約したいものです。
そんなとき石油ストーブなら上に水を入れたヤカンを置くだけで加湿器に早変わり!お部屋をあっという間に潤してくれます。
ただし、ストーブは普通に使用しているだけで燃焼時に大量の水蒸気を発生させますのでヤカンで加湿する場合にはお部屋の湿度に気を配りながらにしましょう。
③「電気がいらない」ので災害時には大活躍!
「電気がいらない」これが最大のメリットであり、石油ストーブの一番の長所です。
電気を使わないんじゃなくて電気を使いたくても使えない状況、つまり大地震などの災害でライフラインが絶たれたときに大活躍します。最近は特に予期せぬ災害が増えてきましたからね!
どれだけ灯油の備蓄があっても電気が無いと石油ファンヒーターはただの邪魔な箱でしかありません。
実際に震災後は石油ストーブが見直されて、石油ストーブを購入する方が大幅に増加しました。
いつか来るかもしれない災害に備えて石油ストーブの購入も考慮しておくべきかも知れませんよ!
以上のことからも手元にストーブがあると安心します。
ところで一概にストーブと言ってもメリットとデメリットがあるのはご存じでしょうか?
ストーブの種類と特徴およびメリットとデメリット
ストーブには大きく分けて対流式と反射式のストーブがあります。それぞれの特徴およびメリットとデメリットを説明しますね。
対流式のストーブ
石油ストーブの中で、一番シンプルなタイプです。
学校や施設などで見かけた事がある人も多いのではないですか?このタイプは効率よく部屋全体を温めます
この対流式ストーブはストーブの中心に火が燃える部分があって、ストーブの周りすべてに熱が伝わるようになっています。
つまり、熱くなった空気が上昇することによって対流が起き、さらに対流によって暖かさが運ばれて行きますから部屋の真ん中に置くと部屋全体を温めることが出来るストーブです。
それにストーブの上に「ヤカン」や「鍋」を載せることが出来るので、お湯を沸かしたり料理をすることもできるので便利です。
故障が少ないので、長く使えるストーブになっています。
ただし長く使うためにはお手入れも大切です!
お手入れの仕方
✅何年かに一度は芯の交換が必要です
対流式ストーブは灯油が染み込んで火が着く”芯”がどうしても消耗してしまいます。
火力が上がらなくなってきた、火が偏って燃えていると感じたら芯の交換が必要です。
✅点火ヒーターも定期的に交換をする
芯とともにお手入れが必要なのが、点火する時に赤くなる点火ヒーターです。
芯交換の時などに定期的に交換するようにしましょう。
また同時に点火ヒーターに電気を送る電池ボックスも点検するといいと思います。
電池を入れっぱなしにすると接触が悪くなり、点火ヒーターが熱くならないことがあるので注意して下さい。
使用上の注意
✅使いはじめの注意!
一番最初に使い始める時は、灯油をいれて少し時間をおいてから火を着けるようにしましょう。
芯に十分灯油がしみこまないうちに火をつけてしまうと芯が焦げてしまい1発でダメになってしまいます。
✅不良灯油には注意!
不良灯油を使うと芯がダメになってしまうことがあります。
ワンシーズンを越してしまった灯油、または直射日光に当たる場所においていた灯油など悪くなった灯油を使うと、いくら新品のストーブでも芯が堅くなってしまって火力が上がりません。
その時は芯交換が必要になります。不良灯油は色が黄ばんでいたり、すっぱいような匂いがします。
反射式のストーブ
次に反射式ストーブの説明をしますね。
反射式ストーブは燃焼部分の奥に反射板が設置されており、ストーブ正面が集中的に暖かくなるストーブです。
対流式ストーブは空気の対流でお部屋を暖めますが、反射式ストーブは輻射熱(ふくしゃねつ)によって部屋を暖めます。
輻射熱という言葉をご存じですか、これは輻射という熱をもった物質が放つ電磁波が別の物質にぶつかって熱に変わった時に発生する熱のことを言います。
輻射熱(ふくしゃねつ)は空気を暖めるのではなく、赤外線で床や壁を直接的に暖めます。一度暖まると、その物体はそれ自体が熱を発するようになり、じんわりとした優しい暖かさになるのが特徴です。
ただその反面、空気の対流をあまり起こさないので暖まりが遅く、部屋全体を暖めるのが苦手といった面もあります。
でも一番のメリットはやはり輻射熱(ふくしゃなつ)を利用した優しい暖かさです。
壁や床が輻射熱で暖められることによって体が感じる温度も上がり、室温が低くてもあまり寒さを感じません。
空気も乾燥しづらいので加湿の必要もないといった所もメリットです。
設置場所に関してもストーブの上面と正面のみが熱くなるため、壁に寄せて置くことが出来て邪魔になりません。
灯油タンクがあることもポイントです。灯油タンクがあれば給油する際、直接ストーブに給油するのではなく、タンクを取り出してタンクに給油することが出来、灯油をこぼしてしまうという不安もなく、安全面や衛生面でも安心です。
反射式ストーブのお手入れは以下の通りです!
お手入れの仕方
芯を使った対流式ストーブと同様に芯と点火ヒーターのメンテナンスが必要です。
ただ最近は点火ヒーターが使われていないストーブがメインになってきているので、お使いのストーブによってお手入れを行ってください。
使用上の注意
こちらも芯式の対流ストーブと同様で、一番最初の使いはじめは灯油を入れてからしばらく経ってから点火することです。
ワンシーズンを越した灯油や直射日光に当たった灯油などの不良灯油には注意しましょう。どちらも芯を1発でダメにしてしまいます
どんなタイプのストーブが適切
石油ストーブは「どちらを選ぶか?」
反射式の石油ストーブのデメリットは、お部屋の空気を対流させる力が弱い事もあり、広いお部屋には対応できません。
石油ストーブを15畳を超えるようは広いお部屋で使用するなら、選べるのが対流式の石油ストーブに限られてきます。
10~15畳程度のお部屋では、対流式、反射式どちらも選択肢に入ってきますが、通気性が高い木造住宅や寒さが厳しい寒冷地では、お部屋が暖まりやすい対流式の方が望ましいです。
10畳未満のお部屋では、どちらでも十分早く暖まる可能性が高いですが、お部屋が狭くなってくると、置き場所が問題になってきます。
そのため、熱が放射される方向が限られている反射式のストーブだと、お部屋の隅に設置できるので、こちらを選択するのが無難です。
部屋の広さ(畳)の選び方
使用するお部屋の広さに合わせて選ぶのが基本であり、通気性が高い住宅や寒さが厳しい寒冷地では、2~3畳程度の余裕を持たせて選ぶと良いです。
ストーブの注意点
石油ストーブ使用時の注意点とは?
残念ながら石油ストーブもメリットばかりじゃありません。
石油ストーブを使用するにあたってのデメリットや注意事項もご紹介します。
定期的に換気が必要 石油ストーブだけではなく、ガスストーブやファンヒーターなどの暖房器具は室内の空気を燃焼させるため、排気ガスによって空気が汚れてしまいます。
換気をせずにそのまま長時間使用していると室内の酸素が減少してしまい不完全燃焼によって一酸化炭素中毒になる危険性があります。
一酸化炭素(CO)は色も臭いも無く、毒性が強い気体のため、ほんの少しでも吸い込んでしまうと気づかないうちに中毒になる危険があります。
一酸化炭素(CO)中毒の最初の症状は風邪に似ていて、なかなか気づきにくく、次第に頭痛、吐き気がしてきて、手足がしびれて動けなくなり、重症になると、人体に強い機能障害を起こしたり、意識不明になって死にいたることもあります。
隙間風が多い古い木造一軒家ならともかく、マンション等の高気密・高断熱住宅では必ず定期的な換気を行ってください。
どの位の頻度で換気すればいいの?
換気が必要なのは解ったけど何時間に一回、どの程度の換気が必要なのか気になりますよね?
部屋の広さや気密性、ストーブの種類も人それぞれ違うので一概には言えませんが、説明書などには1時間に1~2回窓を開けての換気を1分程度との記載が多いみたいです。
必ず1時間毎にしなけらば一酸化中毒になるって訳ではありませんが、気密性の高いお部屋ほど小まめな換気が必要だということは覚えて置いてください。
芯の交換が必要
石油ストーブは長年使っていると「芯」と呼ばれる部分が劣化してしまいます。芯がダメになると点火しにくくなったり、熱が弱くなったりします。
そうなると交換が必要になるのですが、ストーブの芯は正しく使用していれば1年や2年でダメになったりはしません。
ただ火力が上がらなくなって来たり火が偏って燃えていると感じたら芯の交換が必要な時期だと思って下さい。
火傷に注意
石油ストーブはその構造上、前面や上部が非常に高温になります。
特に小さいお子様やペットのいるご家庭では熱をもった箇所に触れないように注意が必要です。
一応、ストーブ用のストーブガードなどもあるので活用してください。
まとめ
最近は品質が良い商品も次から次へ店頭に並べてありますが、購入する前にご自身の居住環境にあったものかどうかよく考えてみてください。
最後にもう一度整理するとストーブの種類は大きく分けて2つで、それぞれの特徴は次の通りです!
【反射型のストーブ】
・室温が低くてもあまり寒さを感じません。
・空気も乾燥しづらいので加湿の必要もない
・壁に寄せて置くことが出来て邪魔になりません。
【対流型のストーブ】
・効率がよい対流によって比較的早く部屋が暖まります
・ストーブの上にやかんや鍋を載せることが出来ます
・構造がシンプルで故障が少ないです
それぞれのメリットとデメリットをよく理解した上で購入して快適な環境をお作り下さい!