◆補聴器を購入する前に疑問を解決しましょうね!◆
◎補聴器を着ければ、すぐに聞こえるようになりますか?
補聴器の専門家が使う方の聴力合わせて調整します。しかしながら、耳は感覚器官ですから調整がきちんと行われても、補聴器の音にすぐには順応できないそうです。すこしずつトレーニングを重ね、補聴器の新しい音に慣れて行く必要があるようです。
◎補聴器は常に装用した方が良いのでしょうか?
基本的には洗顔、入浴、就寝時等以外は装用するほうが良いみたいですよ!しかし、初めて使用する人は1日数時間から始めるなど、自分にあったペースで装用してはいかがでしょうか?
◎耳せんをしたようなこもった感じがしますか?
補聴器は耳せんに通気孔(ベント)を設けると、こもり感が減少し、自分の声が響きにくくなるようです。
◎補聴器は雑音がうるさいと聞きますが、実際はどうなのでしょうか?
補聴器を使用する前には聞こえなかった環境音が聞こえるようになるため、最初は気になるかもしれませんが、音源が何か分かるようになると、その音に慣れてくると言われています。また、最近のデジタル補聴器には雑音と音声を識別して、雑音を効果的に低減させる「雑音抑制機能」が搭載されているものもあるそうですよ。
◆聴覚の老化とは、どういうことを言うの?◆
聴力は一般的に30歳代を境に衰え始め、特に高音域から低下していきます。そして高音が聞こえにくくなると、言葉の聞き間違いが起こりやすくなります。
例えば、さとう(佐藤)さん→かとう(加藤)さん さかな(魚)→たかな(高菜)
ちなみに一般的平均聴力レベルは---?
- 60歳代:25~35dB
- 70歳代:30~40dB
- 80歳代:35~45dB
補聴器の装用を検討する目安のレベルは、だいたい30dBらしいですよ!
◆補聴器の種類◆
補聴器の種類は大きくわけて耳あな型と耳かけ型になります。これをもう少し細かくすれば下の写真の種類に分けられます。
外マイク耳あな型 耳あな型 外耳道内レシーバ耳かけ型 耳かけ型
一応、耳あな式補聴器は軽度難聴から高度難聴までは拾えます。
これに対して耳かけ式補聴器は軽度難聴から重度難聴の中程度くらいまでが適合範囲のようですが、これも難聴の程度と各症状についてはあくまで目安なので耳鼻科などで聴力を詳しく測定することをお勧めします。
また、お値段の関係もありますが、できれば片方だけ装用するよりも、将来の悪化を遅らせるためには両方装用がおすすめです。
その理由としては、メガネを片方だけ欠ける人はいないからです。
なぜなら片目で見ると視野が狭まり遠近感がわかりません。
同様に、片耳で聞いても、音の拡がりや方向感がわからないからです。
目も耳も二つあることには、ちゃんと理由があるからです。
それに片耳装用だと、補聴器をつけていない方も耳は、言葉の聞き取り能力が次第に衰えて行く場合があるという研究結果もあるそうですよ。
また、脳と耳は情報のやり取りをしている以上、耳からの情報が正しく入って来ないと認知能力も落ちてくるかも知れません。
□両用装用をすすめる理由
- 騒音にも強い
必要な音と騒音の区別が楽で、騒音の中でも会話が聞き取りやすくなります。
- 音の方向がわかりやすい
ステレオ効果により、音の方向や位置が明確になり安全です。
- より自然な「きこえ」
同時に両方の耳から音が入るので、より自然に聞き取れます。
- 疲れにくい
小さな音量でも聞き取れるので、耳に優しく疲れにくくなります。
◆どうして難聴はおこるのでしょうか?その原因はなに?◆
では、どうして難聴はおこるのでしょうか?その原因を探ってみることにしましょう。
聴覚の機能は、自分が気付かないうちに老化が進み、音が聞こえにくくなる可能性があります。
聴覚の老化による難聴には「感音性難聴」「伝音性難聴」「混合性難聴」の3種類があるそうです。
①感音性難聴とは?
内耳(蝸牛)や蝸牛神経、脳での障害による難聴で、内耳の蝸牛にある有毛細胞の減少により、音の情報が神経に上手く伝わらなくなります。そして、神経や脳の機能も低下していくそうです。
また、有毛細胞は蝸牛の入り口にあるものから損傷していくため、高い音から聞こえが悪くなっていくようです。
音の情報を正常に神経へ伝えることが出来ず、脳での音の大きさの感知や音の位置を特定することが正常に行われないため、小さい音が聞こえづらくなったり、大きな音がうるさく感じることがあるようです。
感音性難聴では、雑音などの聞き分けが出来なかったり、音は聞こえても言葉が聞き取れないなどの症状が多く見られるようになるみたいです。
医学的治療は難しく、補聴器にも高度な処理が要求されるそうです。
②伝音性難聴とは?
外耳や中耳の障害による難聴です。加齢により体の代謝が低下すると、外耳にある耳垢腺(じこうせん)という場所から異物を耳垢として排出することができなくなり、外耳の手前で排出されていた異物などのゴミが奥に入り込むため、鼓膜を塞いでしまうようになるようです。
そのため、小さな音では鼓膜が振動を伝えることが出来ず、大きな音でないと聞き取れづらくなってしまうというのです。
また、異物が溜まり中耳に細菌が増殖することで、炎症を起こしやすくなります。悪化すると鼓膜に穴が開いてしまい、放っておくと耳小骨(じしょうこつ)まで壊れ重度の難聴へと進行してしまうため、注意が必要です。
医学的治療によってある程度は、聴力を回復させることは可能なようです。
③混合性難聴とは?
混合性難聴は、感音性難聴と伝音性難聴が合併した難聴です。両方を併せて持つ混合性難聴は、外耳又は中耳と、内耳の両方に障害が起こるため、高い音と小さい音が聞こえにくくなりますので、結構厄介です。
※ヘッドホン難聴
近年、携帯型プレーヤーやスマートフォンなどで音楽を大音量で聞くことにより起こる「ヘッドホン」🎧 が増えています。
人が出す大きな声は80〜100デジベルと言われていますが、日常的にヘッドホンで音楽を聞いている人は、騒音を毎日耳にしているのと同じことになります。
ヘッドホンから流れる大きな音を毎日聞き続けてしまうことで有毛細胞の損傷が進み、死滅してしまう恐れがあるからです。
ヘッドホンで音楽を聞く時は、周りの音で妨げられないような静かな場所でなるべく音量を控えめにしましょう。
また、長くヘッドホンで音楽を聞いた時は、耳を休めてあげることも必要だと思います。
◆聴力の老化に早く気付こう!◆
難聴は聴覚の老化がすでに始まっているサインです。
難聴を放っておくと神経や脳も機能が低下していくため、次第に普段会話をしている音域から、低い音域まで聞き取りにくい範囲が広がっていきます。
聴覚の老化が進まないように早期に気がつき予防することが大切だそうです。
次のチェック項目に1つでも当てはまる場合、難聴の可能性がありますので、注意が必要です。
《日常生活における聴覚老化チェック》
- 早口で話されると、声が大きくても分かりづらい。
- 呼び掛けられたのに、気づかずにいることが多くある。
- 静かな場所なら問題ないが、周りが騒がしいと何度も聞き返してしまう。
- きちんと聞き取れずに、曖昧に『そうだね』と返事をすることがある。
- 知っている内容まら聞き取れても、聞いたことがない話だと聞き取れない。
≪難聴レベル≫
①音は空気の振動
わたしたちが耳でとらえている音の正体とは何でしょうか?
音を出す物体の共通点は、振動しているということです。
音とは、この振動が空気中を伝わる現象のことです。
音を出すものであれば、どんなものでも空気を振動させています。
たとえば太鼓ならば皮をギターならば弦を、叩いたり、つま弾いたりすることで、空気の圧力の高低が繰り返され、それが音の波として空間にひろがります。
つまり、音とは空気の圧力の高低が繰り返す振動です。
このような繰り返しの変化で伝わっていくエネルギーを波といいます。
波は波長と振動によって性質が変化します。
②音の高さを決める周波数
音には、高低と大きさがあります。
まずは、高低を生む原理を見ていきましょう。
音が発生すると、空気の振動で気圧が変動して波を起こります。
この伝わる圧力変化の中で、圧力最大点から次の最大点までの距離が波長になります。
私たちの聴覚には、波長が長い音は低く、短い音は高く感じられます。
空気が1秒間にどのくらいの速さで振動するか(波動数)は波長で決まり、これを表す数値を『周波数』と呼び、『ヘルツ(Hz)』という単位で表します。
波長と音の高さの関係は波長が長くなればなるほど低い音になります。
それは長いことで揺れる速度がゆっくりとなり、振動数が少なくなるからです。
反対に波長が短くなるほど、振動数は多くなり高い音になります。
周波数が高いほど、聞こえる音も高く感じますが、人間が耳で聞き取れる周波数は20~20.000Hzの間であり、この範囲外にある周波数」は、音として聞き取ることが出来ず「超音波」と呼ばれます。
③音の大きさは振幅で決まる
次は音の大きさについてです。
音の大きさは振動の振幅に対応しています。
同じ太鼓っでは、叩いたときに出る音の高さは同じです。
しかし、強く叩くと大きな音が、小さく叩くと小さな音が出ます。
違いは、太鼓の皮の震える幅です。
強く叩くと大きく動いて、周りの空気を強く圧縮します。
つまり空気の圧力変化の高低差が大きいと、大きな音になります。
音の大きさは『音圧レベル』と呼ばれ、単位は「デジベル(dB)」で表されます。
このように音の大きさはデジベルという単位で表されると説明しましたが、日本では、難聴の基準をデジベルで表しています。
音の大きさ・音圧 難聴レベル(聞こえの程度)
- ~30 正常:問題なく聞こえる・ささやきが聞こえる
- 31~40 軽度難聴:小さな音や雑音が多い場所は聞きづらい
- 41~70 中度難聴:テレビの音が大きいと言われる
- 71~90 高度難聴:耳元でないと聞きと取れない
- 91~ 重度難聴:耳元で話しても聞こえない
◆聴覚老化を予防しよう!◆
<音を積極的に聞こう>
音を聞かなくなってしまうと、音を認識する脳の部位が、活動を低下させてしまうと言われます。
音が最近聞こえづらくなったと感じた時、鈴の音や音楽などを、好きな音を耳から10㎝、20㎝と、少しずつ離して聞くことを慣らしてみてはいかがでしょうか?
すると、その音に対して敏感になっている脳が一生懸命音をとらえようとするはずです。
好きな音を毎日、ほんの数秒でもよいので耳にすることを心掛けるようにしてみましょう。
脳の働きが高まり、聞こえづらさが解消されるかもしれません。
<正しい耳掃除をしよう>
毎日耳掃除をしている人は要注意です!
耳掃除のやり過ぎは返って危険です。
耳垢には耳を守るための大切な役割もあります。耳掃除の正しい方法を覚え、耳の健康を維持するようにしましょう。
●耳垢の役割
分泌物により適度な粘着性のある耳垢は、耳の穴に侵入したゴミやホコリを吸着する役割を持っているそうです。
そして外耳道[がいじどう]を通って外へ外へと流れて、それらを耳垢として運び出してくれるのです。
外耳道表や鼓膜[こまく]の外側には比較的薄い皮膚組織であるため、耳垢はそれらを物理的に保護して、分泌物によって湿潤に保ってくれてます。
また、耳垢には感染防御の役割もあり、耳垢の成分は酸性で、中にはリゾチームやIgAなどが含まれるため、抗菌作用も併せ持っているといいます。
●正しい耳掃除の方法
耳の入り口から約3.5㎝先には鼓膜があります。
そこまで達しないように注意しましょう。
耳垢腺(汗腺の一種)という耳垢をつくるための工場が外耳道[がいじどう]の外側から1/3部分であるため、耳垢が留まるのは入口から約1.5㎝まで、およそ綿棒の頭一つ分と覚えておきましょう。
耳に自浄作用があり、耳垢を自然と体外へ排泄する働きがあります。
そのため、月1~2回の掃除で十分です。耳の奥まで耳掃除をやり過ぎると、せっかく外へ出ようとしていた耳垢を奥へと押し込んでしまい、耳が聞こえづらくなってしまうことがあります。
また、耳垢はカサカサした乾性耳垢と、ベトベトしたアメ状の湿性耳垢の2種類に分けられます。日本人の約7~8割は乾性耳垢ですが、欧米では湿性耳垢が多いと言われ、これらは遺伝によって決定されます。
この乾湿の違いは、耳垢腺からの分泌物の量の差や、耳垢腺自体の数によります。
乾性耳垢の人は、耳かきまたは綿棒で耳の穴の外側1.5㎝ほどの部分を耳の壁をなぞるようにやさしく外に向かって掃くように耳垢を掻き出します。
湿性耳垢の人は、綿棒をそっと耳の穴へ1.5㎝ほど入れたら、らせんを描くように外へ向かって3~4回拭き取りましょう。
<聴覚機能をよくするマッサージ>
耳につながる血管や脳の血液の流れをよくして、聴覚の老化を防ぎましょう。
●耳マッサージ
耳周りの血行を促進して、耳の機能低下を防ぎましょう。
□耳シェイク
- 両手の人さし指と中指でチョキのポーズをつくり、耳を挟むように置きます。
- 回すようひほぐしていきます。
□耳引っ張り
- 耳全体を上下左右に軽く引っ張ります
- 両手の平で耳の穴を塞ぎ、2秒後パッと離します。
□耳さすり
- 両手の親指を耳の裏、人差し指を耳の前におきます。
- 耳の裏全体と耳の付け根、耳の前を優しくさすります。
□耳の穴を刺激する
- 両手の小指の先を耳の穴に当てます。
- 耳の穴の上下左右を、ツボを押すように軽く押します。
●頭皮マッサージ
頭には耳によいツボが数多くあります。頭皮をまんべんなくマッサージすることで、頭への血流がよくなり、自律神経を司る視床下部の働きが活性化されます。
●頸椎マッサージ
首の骨である頸椎の両脇には、椎骨動脈という血管が走っており、この血管の末端が耳につながっています。
そこで、頸椎を優しく揺らすことで、血液の流れを促します。
片手の手のひらを、頸椎を包むように当てます。
頸椎の上の部分、中央、下と3か所、優しく左右にシェイク<振動を加えて揺らす)します。全体で1分行うようにするといいようです。
◆まとめ◆
当たり前のことが、ある日突然そうでなくなる時、慌ててもどうしようもありません。
老化は誰にでも必ず忍びよる避けられないものだからです。
だから、なるべくそうならないように努力するのが予防と言うものですよね!
補聴器も生活に支障が出て押し迫り装用するよりも、症状が軽度のうちに装用した方が、より自然に近い状態の中で生活できるわけですから、絶対に有利だと思います。
要は不安を乗り越えて一歩踏み出す勇気ではないでしょうか?