茜色の空***
茹だるような暑さ、今日も、また異常に暑い一日だった。毎年暑さが酷くなってくるように思えるのはわたしだけだろうか?入道雲は大きく沸き立ち、遠くの山々はガスで霞んで見える。時々風が吹くこともあったが、ほとんど風があまりない熱い一日だった。
今晩は、近くの町で花火大会があるらしい。行きかう車の量が、夕方当たりから半端ではない。もう、数時間したら、人の行き来も激しくなるだろう...
それでも、西の空は、まだ明るく茜色に暑い雲が染まっている。とても綺麗ではあるが、情熱的な明るさだった。昼間の蒸し暑さは、少しくらい和らぐのかと思ったが、一向にその気配はなさそうだ。
まだ、7月に入ったばかりだというのに、先が思いやられる。それでも、当たりは段々とうす暗くなり、8時ごろにはすっかり真っ暗に成って来た。
すると、遠くの空からドーンという響き渡る音が鳴り響く。迎えの家の屋根の向こうに明るく輝き弾け飛ぶ火の子がとても綺麗だった。
夜道を通る浴衣を着た若い男女が寄り添いながら、花火で色取られた夜空をうっとりと見上げていた。夏の夜は、何となく人の心を揺れ動かす雰囲気があるようだ。
☆去年のホタルたち***
そういえば、今年は余りホタルを見かけなかった。いつもだと、近所を流れる小川には6月の初めから中頃まで、ホタルが飛んでいるはずなのに・・・
どうしてだろうか?やはり、この異常な気候の移り変わりにホタルも活動し難かったのかもしれないな?そう一人、心のどこかで呟いていた...去年は、家族で近所の小川にホタルを見にいったものだ。
ちょうど8時から10時くらいがちょうど、沢山のホタルが飛んでいるのを覚えている。懐中電灯を照らし、真っ暗な夜道を4人で歩いていると、犬のルフィーがひと際、しっぽを振り先頭を歩き廻る。只、近くに飛んできたホタルには無関心で興味がないようだった。
とにかく、昼間は余り散歩に連れまわさないので、一人はしゃいでいるのだ。お陰で、首輪の紐を持っているわたしは、このプードル犬に引っ張り廻されているホタル見学どころではない気持ちだった。
夜中の小川は、真っ暗で水面に映る満月の輝きだけが、廻りをかすかに照らし出しているだけだ。それでも、サラサラと川が流れる音だけはする。ほんの30分程度の散歩だったが、家族みんなの心がときめき、不思議な一体感を感じることが出来た。
今年は残念ながら、気候の関係もあろうけども、ホタルは余り見かけなかった。それに、子供たちも、一人は東京、もう一人は大阪に就職していった。なんとまあ、寂しい夏の訪れとなりそうだ。それでも、お盆までは朝晩関係なく、茹だるような暑さは続くようだ。
☆まとめ***
最近は思うのだが、今の夏は”お盆を過ぎると少しは朝晩過ごし易い”のが、そうではなくなって来ているのではないか?と感じているのはわたしだけだろうか?そんなつまらぬことを考える気ままな私である。