大根の根は使っても、葉は、そのまま捨ててしまうことが多くはありませんか?
どうしても、見栄えが良くないし、ところどころ色が茶色く変色していたり、葉に虫から食われて穴が空いていたりしているのを見ると敬遠したくなるからです。
もちろん、八百屋やスーパーで買って来た大根は綺麗だし葉も傷んでいないのが多いと思います。
ところが意外や意外、その葉の方が根よりも栄養価が高かったんです!では、どんな栄養成分が含まれているのか紹介したいと思います。
大根の葉の栄養成分について
大根の葉を身近な美肌食材「ほうれん草」と比較してみると、ビタミンCが約5.5倍、鉄分は約1.5倍、カルシウムは約5.3倍も含まれています。
β-カロテンの量もほうれん草に引けをとりません。β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、強い抗酸化力をもちますし、新陳代謝を高め皮膚や粘膜の乾燥を防ぎます。
こんなにも沢山の美肌成分のつまった大根の葉、捨ててしまってはもったいないですよね!これを区分けして見ると、こんなふうになります。
大根の葉 | 100g当たりの含有率 | ホウレン草 | 100g当たりの含有率 |
---|---|---|---|
β-カロチン | 3900ug | β-カロチン | 4200ug |
ビタミンC | 53mg | ビタミンC | 35mg |
カルシウム | 260mg | カルシウム | 49mg |
鉄分 | 3.1mg | 鉄分 | 3.7mg |
こんなに豊富に含まれている栄養素、どれもこれも一遍に摂れるかというと、ちょっと、そう都合がいいようには行かないようです。
ですから、それぞれの特性を知って摂るようにすると効率的なのかもしれません。
大根の葉の効能をご紹介
ここで、大根の葉に入っている主な栄養素の効能を書いていきますね。
・βカロテン : 体内でビタミンAに変換して、皮膚や粘膜を丈夫にしたり、視力の維持や、がんの予防、免疫力の強化、アンチエイジングなど、健康を保つために重要な働きをする栄養素です。
・ビタミンC : 抗酸化作用が注目され、がんや動脈硬化の予防や老化防止にビタミンCが有効であることが期待されています。
・カルシウム : 骨や歯の主要な構成成分になるほか、細胞の分裂・分化、筋肉収縮、神経興奮の抑制、血液凝固作用の促進などに関与しています。
・鉄分 : からだの中に約3gあるといわれています。そのうち約65%は血液中のヘモグロビンの構成成分となり、酸素運搬という重要な役割を果たしています。
特に女性の方にはこういう効能が重要になってきます。
女性は必見‼︎ 「目的に応じた大根の葉の効能と摂取方法!」
ターンオーバーを整えて乾燥からお肌を守りたいのなら、ビタミンA重視の料理を選択
繰り返しますが、ビタミンAは脂溶性ビタミンですから、油と一緒に調理することで吸収率が高まります。
ですから、ビタミンAを積極的に摂りたい方は、大根の葉を野菜炒めに入れるなど、必ず油で炒めてから使いましょう。
夏に浴びた紫外線のダメージを修復したいのなら、ビタミンC重視の料理を選択
復習ですが、ビタミンCは水溶性ビタミンのため、できるだけ調理をせずに摂ると損失が少なく効率的に摂取できます。また、空腹時は吸収が良いのですが短時間に沢山吸収してしまうため、体内で余ったビタミンCは、すぐに排出されてしまいます。
そこで、ある程度、胃に物が入った状態でビタミンCを摂ると、ゆっくり吸収されるため、吸収している間も消費したビタミンCの分までビタミンCを吸収することができ、空腹時と満腹時では、1.6倍吸収量に差が出るそうですよ!
大根の葉の栄養を効率的に摂る方法
ビタミンCを摂りたいなら生で食べる。
このビタミンCは、大根の葉100gあたりに53mg含まれています。この量は、水菜(55mg)と同じくらいで、ほうれん草(35mg)や小松菜(39mg)よりも多くなっています。
但しビタミンCは水溶性のビタミンなので熱に弱く、加熱すると壊れてしまいます。また、長時間 水に付けて置くのもよくありません。
ですから、効率よく吸収したいならできるだけ調理をせずに、体の中に摂り入れてあげるのが大切なポイントです。
それで、一番お手軽な方法としては、そのまま生で食べることです。具体的には、洗って刻んで、サラダに混ぜると食感が楽しめますよ!
また、ビタミンCは空腹時より満腹のときのほうが「1.6倍」吸収率が高まると言われています。
ですから、ムダなく摂り入れたいならサラダは食事の後半に食べるのがオススメということになりますね!
ビタミンAを摂りたいなら油で炒めて食べる。
油と一緒に調理して吸収力を高めてあげるのが賢い食べ方です。
実際に大根の葉っぱを生のまま食べると、そのビタミンAは10%ほどしか吸収されませんが、茹でると50%近く、油で調理するとなんとおよそ80%にまで吸収率が高まると言われているんですよ!
そもそも、βカロチン(ビタミンA)は脂溶性ビタミンなので、油で炒めて食べるととても吸収がよくなります。なので、ビタミンAを摂りたいときには、ほかの野菜と一緒に少量の油で炒めて野菜炒めの具として食べるといいですね。
カルシウムを効率よく吸収したければ、酢飯など酢といっしょに食べる。
カルシウムは骨や歯のもととなり、心臓などの筋肉の収縮にも関わり、神経を安定させる働きがあります。人間の体に欠かせない栄養素です。
大根の葉100gあたりには、カルシウムは260mg含まれています。水菜は210mg、小松菜は170mgほうれん草は49mgですから、圧倒的に多いことがわかります。
カルシウムは、酸との相性がとても良いので酢物と一緒に混ぜてたり、酢飯に入れたりするのもいいですよ。
また、胃酸と混ざるとイオン化するので、かなり吸収がよくなる特性があります!
また、なるべく何回もよく噛んで食べるように意識して下さい。胃酸の分泌もよくなり吸収される量が増えるはずです。
鉄分を吸収したければ、タンパク質「肉・魚」と一緒によく噛んで食べる。
大根の葉っぱには、女性にとってとくにうれしい栄養素である鉄分もたっぷり含まれています。
その量は、鉄分を含む野菜の代表であるほうれん草にも匹敵するんですよ。
だけど、植物性の鉄分は、非ヘム鉄と言ってお肉に含まれる鉄分(ヘム鉄)よりも吸収され難い鉄分です。
しかし、良質なたんぱく質やビタミンCを多く含む食品と一緒に摂取することで吸収率があげることが出来ますよ。
もう一言添えて頂くと、たんぱく質は肉や魚がおすすめです!
また、胃酸によっても吸収が促進されるので、食べるときはゆっくり噛んで食べましょう。
レモンや酢など酸っぱいものと合わせても良さそうですね!
逆に食事中や食後のコーヒー、紅茶、緑茶の大量摂取は鉄の吸収が低下してしまうので、避けると良いでしょう
ゆでて食べてももちろんOKです!
大根の葉を無駄なく活用する方法
ついでに、こんなに栄養素の多い大根の葉ですから無駄のない使い方をしたいものです!
そこで効率的使用方法ですが、まず、大根の頭から2・3センチの所で切り落としています。
そして、根元に近い部分は「炒め物」や「煮物」などにして、良く火を通して使ってはどうでしょうか⁈
また、葉先に近い部分は「お味噌汁の具」や「菜飯」や「即席漬け」などに利用しています。
こうすれば、本当に捨てるところが少なく済むので、ちょっと得した気分になりませんか?
本当に大根というのは、無駄なところがない有難い野菜ですよね!
大根の葉を食べる時の注意点
こんな大根の葉にも、少しだけ課題もあります。
大根の葉にも、ほかの緑黄色野菜の多くに含まれるのと同じように、ショウ酸が含まれています。
人が食べるように改良されている野菜は、ショウ酸も少ない傾向がありますが、大根の葉はそのような改良がされていないため多めです。
ショウ酸は野菜が自分の体を守っている物ですが、人が取りすぎると問題があります。
ショウ酸の取りすぎは尿路結石ができる可能性があるからです。
ですが、あく抜きをすることでショウ酸を減らすことができます。
具体的なあく抜きの方法としては、ゆでる、塩で絞り出す、油でいためるなどがあります。
その中でもショウ酸が気になるようなら一番はゆでることですね。
まとめ
日頃、身近にあって当たり前のものほど、本当の意味で価値が分からないのかもしれませんね!
でも、本当の栄養素というのは、やはり採れ立ての新鮮なもが一番いいに決まっています。
確かに、今はなんでも手に入る時代ではありますが、海外の輸入物で添加物や防虫剤など、お構い無しにかけてあるものだってたくさんありますからね。
そこで、今は、自分で畑を借りて家庭菜園を始めたりする人も増えて来ました。
ベランダでプランターに、ちょっとした野菜を植えたりする人だっています。
もちろん、そういう時間を作れない方も少なくないと思いますが、だからこそ野菜などを購入する時はよく品定めをして、新鮮で無添加のものを選ぶように意識して欲しいものです。