秋の野菜売り場に並ぶのは野菜だけでなく柑橘類も同じで、晩夏や秋口から出回り長いものは初冬まで続きます。
この中には実を食べるよりも、果汁の酸味や果皮の香りを薬味として使うものも多いです。
こうした柑橘類を香酸柑橘類(こうさんかんきつるい)と言います。
かぼすもすだちのこうした種類になるのですが、間際らしいことに見た目が同じように見えます。
”どちらも似たようなもの?”と思いがちですが、実は味わいも違うし使い方もちょっと違うところもあります。
そこでこの二つの見分け方から、その特性を活かした使い方の違いをご紹介しようと思います。
すだちとかぼすの違いは一目瞭然で判断できる
別々に見るとよく似ているすだちとかぼすですが、二つ並べてみると見た目でも違いが分かります。そこで、この二つの違いを整理してまとめてみました。
項目 | すだち | かぼす |
---|---|---|
サイズ | ゴルフボール | テニスボール |
直径 | 30~50㎝ | 100~150㎝ |
風味 | 柔らかい酸味 | 爽やかな酸味 |
香り | 独特の香り | 控えめな香り |
原産地 | 徳島県 | 大分県 |
それでは、その違いを一つ一つ確認していきますね!
大きさの違いでわかる
すだちとかぼすは同じ柑橘類。でも、すだちはかぼすよりも小さく、ゴルフボールほどの小さな果実になります。重さも40~50g程度です。
これに対してかぼすの大きさはテニスボール程度ですから、すだちに比べるとかなり大きくなります。重さも100~150gと3倍程度も違います。
大きさだけでなく、実は原産地も違います。すだちは徳島県での生産が9割以上を占め、かぼすは地理的には、もっと南に下って大分県の特産品となります。こちらもやはり生産が9割以上を占めるようです。
出典:かぼすとすだちの違いは?? | Norikostyle ワインとおつまみと、美味しい話 (ameblo.jp)
もちろん、味にも違いがあります。食べ比べることは余りないと思いますが、よく味わってみるとやはりはっきりとした違いが分かるはずです。
まず口に入れたときや匂いを嗅いだときの風味や香りはどうでしょうか?
風味の違いでわかる
すだちの風味は果汁を搾っているときにほんのりとマイルドな香りが漂って来ます。しっかりとした強い酸味の中に優しく少し丸みを帯びた風味があります。
“かぼすの風味はどうか?”というと少しすだちに近いものがありますが、強い酸味の中にすだちのよりまったりとした風味があります。
香りの違いでわかる
すだちは独特な香りがありライムのような香り高い酸味を感じますよ!
香りを楽しみたければ皮の部分をお吸い物に入れたりマツタケと合わせて食べると、とても上品な香りが立ってよく合います。
これに対してかぼすは香りが控えめで、爽やかな酸味を感じます。
さっぱりする酸味を活かす料理や大きな実に含まれる果汁をジュースにしてもおいしいですよ。
これらを下のレーダーチャートで確かめてみると、さらによく違いが分かると思います。
出典 http://www.oitakabosu.com/information/charm/
明らかに味覚が違うすだちとかぼす。それぞれどんな料理に使うとよいのでしょうか?
すだちとかぼすの相性が合う料理
このような味覚の違いがを活かして、どんな料理に薬味として使ったらその味を美味しく引き立てることができるかご紹介します。
すだちを薬味にしたら美味しい料理
すだちは風味が強いので、こってりした肉料理とか脂がのった魚に搾って掛けても決して味が負けることはありません。
また、香り高いマツタケともよく合います。天ぷらにかけてもおいしいですよ。
また、冷酒や癖のないカクテルなどにスライスして浮かべてると格別です。
※肉料理
※脂がよくのった焼き魚
※マツタケ
※天ぷら
※冷酒等
かぼすを薬味にしたら美味しい料理
果汁がたっぷりでしかも酸味がしっかりしているから、お鍋などでポン酢の中に搾って一緒に入れて上げると爽やかさが増します!
また、白身魚のお刺身や揚げ物、鶏とかタコの唐揚げ、カキフライなどに搾って食べると格別です。
※お鍋類
※白身魚の刺身
※揚げ物
※唐揚げ類
すだちとかぼすの共通して使える料理
すだちとかぼす、共通しておススメなのが、やはり焼き鳥や焼き魚などです。
また、実を薄くスライスして冷や麦やうどんに浮かべると香りや酸味が加わり、さらに上品な味を楽しむことができます。
果汁でシャーベットを作ったりゼリーにするのもいいし、逆に果汁を熱いお湯で割ったドリンクにすると体が温まりますよ!
※焼き鳥
※焼き魚
※冷や麦
※うどん類
(果汁の使い方)
※シャーベット
※ゼリー
※ホットドリンク
いかがでしょうか?結構、すだちもかぼすも料理の献立に合う薬味だということがお分かりいただけたと思います。
こうした香酸柑橘類は他にもいろいろありますので、一緒にご紹介しておきますね!
その他の香酸柑橘類も紹介
すだちやかぼすに似たいろんな柑橘類には、こんなものもあります。
青ゆず (高知県原産)
果汁が少ないので香りの強い皮を使うことが多く、果汁は酸味が強く風味を付ける程度がちょうどよい。
さまざまな料理・お菓子に使われるだけでなく香料やせっけん、入浴剤などにもよく使われます。
黄ゆず (高知県原産)
青ゆずが完熟したもので、酸味が強いために薬味として使われることが多い。
以外と知らないのが乾燥させて七味とうがらしの材料としても使われたりお菓子やお茶の香り付けとしても使われるようになってきました。
だいだい (広島県・静岡県・和歌山県産地|原産地:インドのヒマラヤ地方)
酸味と苦みが強いため直接食べるのは敬遠されがちでしたが、最近ではポン酢としても利用されるようになってきました。
じゃばら (和歌山県原産)
強烈な酸味と苦みがあり、味も個性的です。あまり日ごろでは見かけることがありませんが、正月料理に使われることで知られています。
へべす (宮崎県日向市原産)
かぼすに似ていますが、香りはかぼすよりも優しいです。果汁が豊富で肉や魚などどんな料理にも合わせやすくジャムにするのも人気があります。
シークワーサー (沖縄県原産)
レモンのような爽やかな酸っぱさとほのかな甘みが人気で、ドレッシングに使われたり、果汁を水で薄めてジュースにして飲むと美味しいです。
よく確かめてみると、いろんな柑橘類が地域ごとによく出回っているのがわかります。
まとめ
晩夏から初冬にかけて、いろんな野菜やくだものが店頭に顔を見せますが、すだちやかぼすなどの香りを薬味として使う柑橘類も増えてきます。
“どちらがすだちで、どちらがかぼすなのか?”よくわからない場合は次の3点で比較しましょう。
- 大きさの違い
- 風味の違い
- 香りの違い
同じように見えても、よく調べてみるとそれぞれ違った特性もあるので、これを上手く活かした使い方をすると料理を引き立てる薬味としてはどちらも秋の味覚を十分に楽しませてくれますよ!