らっきょうの甘酢漬けなどは、食べ始めるとついついどれだけでも胃袋に収まってしまいます。
もちろん人それぞれ好みが違うので一概には言えませんが、結構この独特の香りや味にハマってしまうとやめられなくなってしまうんですよね!
ただ、いくら美味しいからと言って毎日食べ過ぎると後で、その付けを払うことになりますよ。
そうならないためにも、この内容はぜひ参考にしてください。
らっきょうと言えば健康によい食べ物という考え方が染みついています。確かにそうですが、時々いつもよりも食べ過ぎて腹痛を起こしたり下痢をしたりする場合があります。
どうして、こんなことが起こるのでしょうか?
らっきょうの過剰摂取はなぜ腹痛を起こすのか
実は、らっきょうを食べ過ぎたとき胃や消化器官を中心として大体トラブルが発生することが多いです。それはなぜでしょうか?
硫化アリルの過剰摂取が腹痛や下痢の原因
らっきょうには独特の匂いがありますが、これは硫化アリル(アリシン)という成分です。
胃や腸などの粘膜を保護して、他にも消化を助ける作用があります。しかし、多量に摂取し過ぎると胃や腸への刺激が強くなりトラブルを引き起こすことになりかねません。
特に空腹時に摂取すると胃の粘膜を傷付けてしまい胃痛などを起こしてしまいます。
また、長期にわたって過剰摂取することにより硫化アリル(アリシン)の強力な殺菌力のため腸内で作ってくれているビフィズス菌などの善玉菌まで殺してしまいます。善玉菌の働きが悪くなると便通がスムーズにいかなくなったり、逆に下痢を引き起こすことにもなります。
硫化アリル(りゅうかアリル、diallyl sulfide)は、2つのアリル基が硫黄原子に結合した構造を持つスルフィド。硫化ジアリルまたはジアリルスルフィドとも呼ばれる。天然にはワサビやニラやラッキョウの成分として存在する。タマネギの催涙成分としても知られる。
硫化アリルは健康のために良い成分ということは理解できましたが、人によってはいろんな症状が現れる場合があります。
硫化アリルが影響するその他の症状
それでは、他にもどんな症状があるのでしょうか?
蕁麻疹(じんましん)
硫化アリル(アリシン)が体内で硫黄と結合して”ジアリルジスルフィド”というアレルゲンに変化してしまいます。
これが原因で「蕁麻疹」や「かゆみ」や「皮膚の腫れ」などのアレルギー性皮膚炎を引き起こしてしまうこともあります。
頭痛/貧血
硫化アリル(アリシン)は血管を広げてくれる作用があります。そのため体内に多量に吸収されると貧血や頭痛以外にもめまいや吐き気を起こすこともあります。
鼻血
硫化アリル(アリシン)は血液のサラサラ効果があるためらっきょうを多めに食べ過ぎるとその効果で鼻血を出したときなど止血しにくくなってしまうことがあります。
そのため粘膜の薄い鼻や歯茎か血が出やすくなるのです。
糖分と塩分の過剰摂取による症状
らっきょうそのものには硫化アリルなどの血液サラサラ効果はありますが、期待するほどの量が含まれているわけではありません。
むしろ甘酢漬けなどには糖分や塩分の方が比較にならないほど多く含まれています。そして糖分や塩分の過剰摂取は血圧上昇の要因となります。
高血圧
.らっきょうの甘酢漬けには100gあたり約27gの糖分が含まれています。この糖分はほとんどが砂糖なので多量摂取することにより高血圧の直接的原因になります。
一応、塩分も100gあたり約4.6g含まれているので余計に症状は悪化しやすなるのは明らかです。
(適正量であれば、らっきょうの中にはカリウムも含まれているので多少は抑制する効果もある)
特に”甘酢漬け”などはついつい食べ過ぎる傾向にありますから、キチンと決めた数量を毎日食べるよにしましょう。
では、目安となるらっきょうの数とはどのくらいが適量なのでしょうか?
らっきょうの適正量はどのくらい
健康維持もしくは増進を考えると、らっきょうの食べる量は1日3~4粒までを目安にしてください。
らっきょうは1粒あたり、小まめなものから標準なもので3~6g、大きいもので10gほどの重さなので3~4粒の場合は9~40gほどになります。
最初に上げたようにらっきょうに含まれる硫化アリル(アリシン)は、適度の量であれば消化を促進したり、血液のサラサラ効果があって血行促進にもおススメの食品です。
しかし、食べ過ぎると刺激が強すぎて腹痛や下痢などいろいろなまずい症状が人によって出ることがあります。とくに腹痛や下痢などは一番現れやすい症状です。
ですから、とくに『1日何粒まで』という根拠があるわけではありませんが、様々や野菜から栄養を摂取することも考えれば、やはり1日3~4粒を目安に食べることをおススメします。
また、甘酢漬けを食べる場合、糖分や塩分の取り過ぎになってしまう恐れもあるため、やはりこのくらいの量に抑えておく方が良いようです。
らっきょうにはどんな栄養素が含まれている
では、らっきょうそのものにはどんな栄養成分が含まれているのでしょうか?代表的なものは以下の通りです。
・硫化アリル:血液サラサラ効果とビタミンB1の吸収を7倍に高める
・フルクタン:食後の血糖値を抑える効果と便秘解消効果
・サポニン:コレステロールの吸収を抑制する
・ビタミンC:抗酸化作用とアンチエージング
・カリウム:体の過剰な水分を排泄する働き
ただし、らっきょう一粒にこれらのビタミン・ミネラル等はわずかしか含まれていません。先ほど説明したように、むしろ甘酢漬けなどは糖質が多少目立つくらいです。ですから食べ過ぎると返って体調を壊すこともあるのです。
このようにらっきょうは栄養成分の種類が多いと言って偏った食べ方をしないように考え違いをしないように気を付けてください
まとめ
らっきょうは健康にはよい食べ物ですが、取り過ぎると返って健康を害することがあります。
例えば、らっきょう特有の匂いは硫化アリル(アリシン)という成分で消化促進を促したり胃腸の粘膜を保護したりする働きや血液のサラサラ効果も期待できます。
ただし過剰摂取すると刺激が強いため返って胃腸にトラブルを起こしたりする恐れがあります。
また、らっきょうの甘酢漬けなどは砂糖の含有量がかなり多いので一緒に漬け汁まで飲み干すと糖分の過剰摂取になりかねません。
「体に良い食べものだからどれだけ摂っても構わない!」という安易な考え方は捨てキチンとした適正量を取るようにしてください。